新規事業の構想は、5W1Hの6つの問いで分解すると、曖昧さが減り事業計画へ落とし込めます。私たちは、計画づくりだけでなく実行・定着まで一緒に手を動かすコンサルティング会社です。規模も業種もさまざまな企業を、日本と米国の双方で支援してきました。この記事では、6つの問いの埋め方、考える順番、5W2Hとの使い分け、よくある抜け漏れまで分かります。
新規事業の構想を実行まで見据えて整えたい場合は、計画から実行まで伴走する経営コンサルティングサービスもご検討ください。進め方や手応えは企業ごとの状況により異なります。
5W1Hで新規事業を整理する6つの問い
5W1Hとは、6つの視点で物事を整理する枠組みです。誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どうやって、の6つで構想を捉えます。新規事業では、この6つの問いで構想を分解すると、曖昧なまま走り出す失敗を防ぎやすくなります。
6つの問いは、新規事業の文脈でそれぞれ意味を持ちます。Whoは「誰が推進し、誰に売るか」です。推進体制とターゲット顧客、主要な関係者を決めます。Whatは「何を、どんな価値で出すか」です。製品やサービスの中身と、顧客への提供価値を言葉にします。
Whenは「いつ始め、節目はいつか」の問いです。開始時期と重要な段階(マイルストーン)、参入のタイミングを置きます。Whereは「どの市場・チャネルで売るか」の問いです。対象地域や販売チャネル、拠点を決めます。
Whyは「なぜ今、自社がやるか」を明確にする問いです。事業を始める理由と、競合と比べた自社の優位性を言葉にします。Howは「どう届け、収益化するか」の問いです。顧客への届け方と、収益を上げる仕組み(収益モデル)を描きます。

例えば、地域の飲食店向けに早朝の仕込み代行サービスを考えたとします。まずWhoで売る相手を小規模店に絞り、Whatを早朝の仕込み代行に定める。先に2つの問いを固めると、WhenやHowの検討が具体的になります。続けてWhenは繁忙期前の開始、Whereは車で30分の商圏、と粗く置きます。節目を「最初の10店と契約」と決めると、進み具合を測りやすくなります。なお、これは説明のための一般例です。
Whatの「どんな価値を出すか」を突き詰めると、事業の骨組みそのものにつながります。提供価値と収益の組み立て方は、新規事業の設計図にあたるビジネスモデルの考え方もあわせて参考になります。
新規事業で5W1Hを使う3ステップ
新規事業で5W1Hを使う順番は、3ステップが実務で扱いやすいです。Whyを仮決めして軸を作り、残り5要素を粗く埋め、検証して更新する流れです。順番に唯一の正解はありませんが、目的から始めると迷いが減ります。
具体的な手順は、次の3ステップです。
- Whyを仮決めして軸を作る:なぜこの事業を、なぜ今、なぜ自社がやるのかを一文にします。判断に迷ったとき立ち返る軸になります。
- 残り5要素を粗く一気に埋める:Who・What・When・Where・Howを、精度より網羅を優先して埋めます。まず空欄をなくすことが狙いです。
- 検証して更新する:顧客や現場で小さく試し、分かった事実で各要素を書き換えます。

3つ目の「検証して更新する」は、一度で完成させないことが大切です。小さく試して直す進め方は、計画と実行を小さく回す方法でも具体的に整理しています。
例えば、Whyを「職人の高齢化で困る同業者を助ける」と仮決めしたとします。あくまで一般的な想定例です。その軸に沿って残り5要素を粗く埋め、試作を数社に見てもらう。反応を見てWhatやHowを直すと、構想を現実へ近づけやすくなります。
5W1Hと5W2Hを使い分ける2つの段階
5W1Hと5W2Hは、構想を広げる初期と、お金を判断する段階の2つで使い分けます。5W2Hとは、5W1HにHow much(費用・価格)を加えた枠組みです。優劣ではなく、事業の段階で選ぶのが現実的です。
構想を広く描く初期は、5W1Hだけでも整理を進めやすくなります。全体像と抜け漏れを先に押さえたいためです。一方、量産や値付け、投資判断へ進むと、お金の視点が欠かせません。ここでHow muchを足した5W2Hが役立ちます。

例えば、試作までは5W1Hで構想を固め、量産と値付けを決める段階で5W2Hに切り替えるとします。How muchを加えると、原価と売価、必要な資金という判断材料が見えてきます。
5W1Hで新規事業を整理するときの3つの注意点
5W1Hで新規事業を整理するときは、Why抜け・Whoの二重定義・埋めて満足の3つが典型的な失敗です。3点を避けると、構想が計画として機能しやすくなります。
一つ目は、Whyの抜けです。なぜやるかが曖昧なまま他の要素を埋めると、判断の軸がぶれます。迷ったときに立ち返る先がなく、計画が場当たり的になりがちです。Whyを一文で言い切ることから始めます。
二つ目は、Whoの二重定義です。推進者(誰がやるか)と顧客(誰に売るか)を1つのWhoに混ぜると、責任も狙いも曖昧になります。推進者と顧客を別の行に分けて書くと、視点のずれを防げます。
三つ目は、埋めて満足することです。6つの問いを埋めた時点で、計画が完成した気になりやすいものです。埋めた内容はあくまで仮説であり、現場で確かめる工程まで含めて考えます。
例えば、Whoに「自社の企画担当と若い世代の顧客」とまとめて書いたとします。これも一般的な想定例です。推進者と顧客が同じ欄に並ぶと、誰の視点の話か分からなくなる。行を分けると、議論がかみ合いやすくなります。
3つの注意点を自社だけで洗い出しきれない場面もあります。構想の抜け漏れを一緒に確認する進め方は、伴走型の経営コンサルティングサービスでもお手伝いできます。
よくある質問
5W1Hは、どの要素から考え始めればよいですか?
Whyから始めるのが扱いやすいです。なぜ今、自社がこの事業をやるのかが定まると、他の5要素の判断軸になるためです。Whoから始めても構いませんが、目的が曖昧だと途中で迷いやすくなります。まず目的を一文にし、残りを粗く埋める順番をおすすめします。
5W1Hと5W2Hは、どちらを使えばよいですか?
事業の段階で使い分けます。構想を広く描く初期は5W1H、費用や価格の判断が入る段階は5W2Hが向いています。最初からHow muchを詰めすぎると、アイデアの幅が狭まることもあります。まず5W1Hで全体像を固め、必要になった時点でHow muchを足す流れが現実的です。
一度埋めた5W1Hは、あとから変えてよいですか?
はい、変える前提で使います。5W1Hは一度で完成させる設計図ではなく、検証して更新する下書きだからです。顧客の反応や現場の事実が分かるたびに、各要素を書き換えます。小さく試して直す回し方は、計画と実行を小さく回す方法もあわせて参考になります。
アイデア出しの段階でも5W1Hは使えますか?
使えます。ただし、この段階では精度より網羅を優先します。細部を作り込むより、6つの問いに一度ずつ答え、空欄をなくすことが目的だからです。粗くても全項目が埋まると、抜けている視点が見えてきます。作り込みは検証のあとで構いません。
5W1Hだけで事業計画は完成しますか?
いいえ、5W1Hは構想を整理する枠組みで、計画の骨組みづくりに向きます。数値計画や収支の見通しは、別途つくらなければなりません。5W1Hで全体像と抜け漏れを押さえたうえで、収益や資金の計画へ進みましょう。事業の骨組みの考え方は、ビジネスモデルの考え方も土台になります。
小さな会社でも5W1Hを使う意味はありますか?
あります。人数が少ない会社ほど、限られた資源をどこに使うかの判断が重要になるためです。6つの問いで構想を整理すると、関係者の目線もそろいやすくなります。自社の新規事業にどう当てはめるか迷う場合は、無料相談でも一緒に整理できます。
新規事業の構想を、抜け漏れなく計画へ落とし込んでみませんか。
伴走支援パートナーズ株式会社(新潟・柏崎)は、中小企業の新規事業づくりを伴走支援します。構想の整理から実行・定着まで、一緒に手を動かします。「アイデアはあるが計画に落とせない」「何から決めればいいか分からない」という段階からご相談ください。5W1Hを使った構想の棚卸しや、埋めた内容の検証まで、御社の状況に合わせて一緒に設計します。なお進め方や成果は企業ごとの状況により異なり、同じ結果を保証するものではありません。まずは新規事業の構想整理について無料相談で相談するところから、お気軽にご連絡ください。
執筆: 伴走支援パートナーズ株式会社(経営コンサルティング/新規事業支援)
公開日:2026年7月8日/最終更新日:2026年7月8日