KPT(ケプト)とは、Keep・Problem・Tryの3つで振り返るフレームワークです。続けること・問題点・次に試すことを整理し、次の一手を決めます。私たちは中小企業の現場改善を、計画づくりだけでなく実行と定着まで伴走してきました。この記事では、KPTの意味、進め方5ステップ、続けるコツ、チームでの使い方、PDCAとの違いまでを、図表を交えて整理します。

KPTとは|Keep・Problem・Tryの3要素を定義

KPTとは、Keep(続ける)・Problem(問題)・Try(試す)の頭文字を取った、振り返りの型です。3つの視点で出来事を整理し、次の行動につなげます。

振り返り(レトロスペクティブ)とは、活動を一区切りで見直し、次に生かす話し合いを指します。KPTは、その振り返りを3つの箱に分けて進めるやり方です。

Keepは、うまくいっており今後も続けたい施策や動きを指します。良かった点を残せば、成功を再現しやすくなるでしょう。たとえば「朝の5分共有で連絡漏れが減った」なら、Keepに入れます。

Problemは、うまくいかず改善が必要な課題を指します。人を責めるのではなく、起きた事象として書くのがコツです。たとえば「見積の返信が翌日になり失注が増えた」はProblemです。

Tryは、次に新しく始める打ち手を指します。KeepとProblemを踏まえ、担当と期限をつけて選ぶのが基本です。たとえば「見積は当日中に一次返信する」をTryに設定します。

3要素の関係を、一つの場面で考えてみましょう。たとえば「新商品の問い合わせが増えたが、対応が遅い」という状況です。ここでKeep(丁寧な説明は続ける)とProblem(初動が遅い)から、Try(一次返信のテンプレを作る)を選びます。結果として次回は、初動の速さを検証できます。

KeepはティールProblemはコーラルTryはネイビーで示したKPTの3要素カード
KPTはKeep・Problem・Tryの3視点で振り返るフレームワーク。

KPT振り返りの進め方5ステップ

KPTの進め方は、テーマ設定→Keep→Problem→Try→行動化の5ステップです。上から順に埋めると、振り返りが具体的な行動に着地します。

進め方の全体像は、次の番号順に沿うと迷いません。各ステップは短い時間で構いません。

  1. テーマを決める:何についての振り返りかを1行で共有します。範囲を絞るほど意見が出やすくなります。
  2. Keepを出す:続けたい事実を挙げます。感想ではなく、起きた良い事象を書きます。
  3. Problemを出す:課題を挙げます。人ではなく事象と仕組みで書きます。
  4. Tryを決める:KeepとProblemから、次の一手を1〜2個選びます。
  5. 行動に落とす:担当と期限をつけ、次回に結果を検証します。
各ステップの成果物を添えた、テーマ設定から行動化までのKPT5ステップ図
KPTはテーマ設定から行動化までを一巡させる。

Tryは、大きく変えるより小さく試すほうが続きます。最初の一歩を軽くし、次のKPTで結果を見直します。小さく回す進め方は、計画と実行を小さく回す方法もあわせてご覧ください。

進め方を、販促の場面に当てはめてみましょう。テーマを「先月の販促」に絞り、Keep(案内配信は反応が良い)とProblem(チラシの効果が読めない)を洗い出します。Tryは「チラシに専用クーポンを付けて効果を測る」とし、担当と期限を決めるのがポイントです。すると次回は、数字で検証できます。

KPTを続けるコツと失敗パターン3つ

KPTを続けるコツは、つまずきやすい失敗パターンを先に知って避けることです。形骸化・Try溜まり・犯人捜しの3つが代表例です。

1つ目は形骸化です。毎回同じKeepとProblemが並び、話し合いが作業になります。打ち手は、テーマを毎回変え、前回のTryの結果確認から始めることです。結果として、振り返りが前進の場に戻りやすくなります。

2つ目はTry溜まりです。Tryを毎回増やすと、実行されないまま積み上がります。打ち手は、Tryを1〜2個に絞り、担当と期限を必ずつけることです。結果として、実行に移りやすくなります。

3つ目は犯人捜しです。Problemが個人の責任追及になると、意見が出にくくなります。打ち手は、主語を人ではなく仕組みにし、事象で書くルールを共有することです。結果として、率直な課題が挙がりやすくなります。

チームでKPTを使う方法|個人との4つの違い

チームでKPTを使うときは、全員がKeep・Problem・Tryを出し合い、合意のうえで担当と期限を決めます。個人との違いは、目的・進め方・Tryの扱い・注意点の4点に表れます。

会議での進め方は、次の流れが基本です。まず各自が付箋やチャットに意見を出します。次に似た内容をまとめ、Problemの優先順位を整理するとよいでしょう。最後にTryを選び、担当と期限を決めて記録します。

個人のKPT チームのKPT
目的 自分の行動を見直す 認識をそろえ担当を決める
進め方 1人で書き出す 全員が出し合意で選ぶ
Tryの扱い 自分が実行する 担当と期限を割り当てる
注意点 基準が甘くなりやすい 犯人捜しになりやすい

チームで使う場面も見てみましょう。「受注から納品までの遅れが続く」というケースです。営業と製造が一緒にKPTを行い、Problem(情報連携の抜け)を共有します。Tryは「受注情報を共有シートに一本化する」とし、担当と期限を決めておきます。こうすれば、部門をまたぐ課題も検証できるでしょう。

チーム運用は、決めたTryを現場に定着させる段階でつまずきがちです。計画づくりから実行・定着まで一緒に進めたい場合は、現場の実行まで伴走する支援サービスもご検討ください。なお成果は状況により異なります。

KPTとPDCA・反省会の違い3点と使い分け

KPTは振り返りの型、PDCAは計画と実行を回す仕組み、反省会は感想の共有です。3つは補い合う関係で、役割や残るもの、向く場面の違いで使い分けます。

PDCA(ピーディーシーエー)とは、計画・実行・評価・改善の4段階を繰り返す進め方です。KPTは主に「評価」と「次の計画」を助ける役割を担います。ふつうの反省会との違いは、次の行動であるTryが必ず残る点です。

KPTとPDCAと反省会を役割・残るもの・向く場面で比べた表
KPTは型、PDCAは仕組み。組み合わせて使う。

使い分けを、定着の場面で確認しましょう。想定するのは「新しい問い合わせ対応を定着させたい」という状況です。まずKPTで先月を振り返り、Try(返信テンプレの改訂)を決めます。そのTryをPDCAの計画に乗せ、1か月実行して評価するのがポイントです。すると、振り返りと実行がつながります。PDCAの回し方は、PDCAで改善を回す方法で解説しています。

よくある質問(FAQ)

Q1. KPTはどのくらいの頻度と時間で行うとよいですか?

一区切りごとに短時間で行うのが基本です。間隔が空くと出来事を思い出しにくく、長すぎると集中が切れるためです。一般には週次や月次、1回30〜60分程度が目安とされますが、決まりはありません。まずは既存の会議に15分だけ足す形から試すと続けやすいでしょう。

Q2. KeepとProblemの線引きが難しいです。どう分ければよいですか?

「続けたい事実」がKeep、「改善したい事象」がProblemです。迷ったら、次も同じことをしたいかを基準にします。同じことを続けたいならKeep、変えたいならProblemに入れます。1つの出来事が両方にまたがる場合は、良い面をKeep、課題面をProblemへ分けて構いません。

Q3. Tryが毎回増えて回らなくなります。どうすればよいですか?

Tryは毎回1〜2個に絞るのが基本です。数を増やすと実行されず、振り返りが形だけになりやすいためです。優先順位の高いProblemから1つ選び、担当と期限をつけます。小さく試して次回に結果を見直す形にすると、実行に移りやすくなります。Tryを小さく回す考え方は、小さく試して回す進め方も参考になるでしょう。

Q4. 付箋やホワイトボードは必須ですか?

必須ではありません。意見を全員が見える形で出せれば、道具は問いません。対面なら付箋やホワイトボード、オンラインなら共有ドキュメントやチャットでも進められます。大切なのは、書いて残し、次回に見返せる状態にすることです。

Q5. KPTとPDCAはどちらを使えばよいですか?

どちらか一方ではなく、組み合わせて使えます。KPTは振り返って次を決める型、PDCAは計画と実行を回す仕組みだからです。KPTで出したTryをPDCAの計画に乗せると、振り返りが行動につながりやすくなるとされます。役割が異なるため、片方を選ぶより補い合わせるのが現実的です。PDCAの回し方は、PDCAで計画と実行を回すコツで確認できます。

Q6. 一人でもKPTはできますか?

一人でも実践できます。KPTは個人の振り返りにも使える型だからです。手順は同じで、自分の行動をKeep・Problem・Tryで整理し、次のTryに期限をつけます。ただし、部門をまたぐ課題はチームで行うほうが認識をそろえやすいでしょう。進め方の設計に迷う場合は、無料相談でご相談いただけます。

まとめ:KPTは、続ける・直す・試すで次の一手を決める型

KPTは、Keep(続ける)・Problem(問題)・Try(試す)の3視点で振り返り、次の行動を1つ決めるためのフレームワークです。テーマを絞り、Tryに担当と期限をつけ、次回に結果を検証する。この一巡を小さく続けることが、形骸化を防ぐ近道になるでしょう。出したTryをPDCAで回せば、振り返りが日々の実行につながりやすくなるでしょう。

振り返りを、行動と定着まで一緒に進めませんか。

伴走支援パートナーズ株式会社(新潟・柏崎)は、中小企業の現場改善を、計画づくりだけでなく実行と定着まで伴走します。KPTの導入から、Tryを実行に移す仕組みづくり、チームでの運用まで、御社の状況に合わせて一緒に設計します。なお成果は企業ごとに異なり、同じ結果を保証するものではありません。KPT運用の進め方を無料相談で相談するところから、お気軽にご連絡ください。


執筆:伴走支援パートナーズ株式会社(経営コンサルティング/業務改善支援)

公開日:2026年7月13日/最終更新日:2026年7月13日

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