結論から言うと、伝わる議事録は「決定事項とToDoを、後から参照できる形」で残せるかどうかで決まります。書いただけの記録と、都度見返せる記録では、次の会議の進み方が変わってきます。私たちは、計画づくりだけでなく実行・定着まで一緒に手を動かす伴走型のコンサルティング会社です。規模も業種もさまざまな企業を、日本と米国の双方で支援してきた経験から整理します。この記事では、議事録に書く9項目に加え、目的や前回の決定事項を先頭に置くコツ、決定事項とToDoの書き分けまでお伝えします。
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議事録の書き方は「後から参照できる9項目」で決まる
議事録の骨格は、9項目をそろえると完成します。目的・前回の決定事項・打ち合わせの目的・ゴール・アジェンダ・議事・決定事項・ToDo・今後の流れを埋めると、後から参照できる記録になります。議事録とは、会議の決定と話し合いの経緯を、後から見返せる形で残した記録のことです。
専門用語を先に整理します。アジェンダとは、会議の議題と進行の予定をまとめた一覧のことです。ToDoとは、次回までに誰が何をいつまでに行うかを、1行にまとめた宿題を指します。この2つを押さえると、9項目のテンプレートが埋めやすくなります。

例えば、項目がその都度バラバラな議事録があるとします。会議ごとに書き手の好みで構成が変わると、必要な情報を探すのに時間がかかりがちです。そこで9項目のテンプレートを1枚用意し、上から埋める運用に変えます。すると書く順番に迷いにくくなり、後から見返す時間も短くなりやすいものです。
議事録の先頭に置く2項目の効果(目的・前回の決定事項)
議事録の先頭に会議の目的を書くと、参加者は同じ方向を向いて話しやすくなります。続けて前回の決定事項を書けば、決まった話の蒸し返しも防げるでしょう。冒頭のこの2項目が、会議の密度を左右します。
1つ目の効果は、目的の共有です。目的が最初に見えていれば、議論が横道にそれても戻る先が分かります。参加者が同じゴールを見て話せるので、認識のずれが起きにくくなるでしょう。関係者が同じ言葉で同じ絵を描けているかは、会議の成果を大きく左右します。認識をそろえる具体的な進め方は、関係者の認識をそろえる考え方でも解説しています。
2つ目の効果は、重複の防止です。前回の決定事項が先頭にあると、「そこは決まった」と全員がすぐ思い出せます。例えば、新商品の販促会議で、毎回議論が振り出しに戻る場面を考えてみましょう。前回「SNSを主軸にする」と決めたのに、次の回でまた媒体選びから話が始まる。決定事項を冒頭に残しておけば、話す時間を次の論点へ振り向けられます。
議事録の決定事項とToDo|誰が・いつまでに、の3要素
ToDoは「担当者・作業内容・期限」の3要素をそろえると、実行に移しやすくなります。決定事項は合意した結論を1行の断定形で、ToDoは3要素をそろえて残すのが基本です。この書き分けが、後から見た人の動きやすさを決めます。

決定事項とToDoは、次の4手順で記入します。
- 決定事項を先に確定する:会議で合意した結論を、断定形で1行ずつ書き出します。
- ToDoに担当者を付ける:作業ごとに「誰が」を1人に決めましょう。複数人だと責任があいまいになります。
- 期限を日付で入れる:「来週まで」ではなく「◯月◯日まで」と具体化してください。
- 保留は持ち帰り先を書く:その場で決まらない項目は、誰が持ち帰るかを残します。
例えば、「見積書のフォーマットを統一する」と決めたとします。ここで書き止めると、誰も動き出しません。「田中さんが、見積書の草案を来週金曜までに作る」まで書いて、はじめて実行に移せます(担当者名や日付は一般的な記入例です)。決めたToDoを実行と期限まで落とし込む進め方は、対策を実行に移すToDoと期限の考え方も参考になります。
伝わる議事録にする4つのコツ
読みやすい議事録は、次の4点で決まります。一文を短くする、箇条書きを中心にする、事実と意見を分ける、時系列で整える、の4つです。どれも会議中のメモを整える延長で取り入れられます。
- 一文を短く:一文50〜60字を目安に、一文一義で書きます。
- 箇条書きを中心に:長い文章より、要点を箇条書きにまとめます。
- 事実と意見を分ける:決まった事実と、意見・懸案を混ぜません。
- 時系列で整える:議事は話した順に残すと、経緯を追いやすくなります。
例えば、会議中のメモをそのまま清書した議事録があるとします。発言が長文で続き、どれが決定でどれが感想か区別できません。事実と意見を見出しで分け、決定事項だけを箇条書きにまとめ直します。読み手が数秒で「何が決まったか」を拾える議事録に近づきます。
議事録作成の5ステップ(会議前〜共有)
議事録は、準備・メモ・清書・確認・共有の5ステップで進めると、書き手による品質のばらつきを抑えやすくなります。会議前から動き出すのがポイントです。属人化を防ぎたいときにも役立ちます。

5つのステップを順に見ていきましょう。第一の準備では、会議前に目的・ゴール・アジェンダを議事録へ先に入力しておきます。第二のメモでは、会議中に5W1Hと発言者を意識して要点を残すのがコツです。第三の清書で、メモを要点の箇条書きに整えます。第四の確認では、決定事項とToDoを参加者と読み合わせましょう。最後の共有は、記憶が新しい当日中が基本になります。
例えば、会議が終わってから議事録を書き始める習慣があるとします。数日後に清書すると、細かなニュアンスを思い出せません。準備段階でアジェンダを入力しておけば、当日はメモを足すだけで済みます。清書と共有までの時間を、短くしやすくなります。
よくある質問
議事録は「だ・である調」と「ですます調」、どちらで書くべきですか?
社内だけで使う議事録なら、簡潔な「だ・である調」が向いています。事実を短く言い切れて、字数も抑えられるためです。一方、社外へ共有する議事録は、失礼のない「ですます調」が無難でしょう。大切なのは調子そのものより、社内で表記を1つに決めて統一することです。
議事録は誰が書くのがよいですか。属人化を防ぐには?
議事録は、進行役以外の担当が書くと、議論に集中しやすくなります。属人化を防ぐには、9項目のテンプレートを共有し、誰が書いても同じ形になる状態にしておくことが有効です。書き手を持ち回りにすると、特定の人へ負担が偏りにくくなります。
議事録は、どこまで細かく書けばよいですか?
細かさは、後から読む人が判断できる粒度が目安です。発言の一言一句ではなく、決定事項・ToDo・保留の3つが分かれば足りる場合が多いものです。議事は要点の箇条書きにとどめ、詳しい資料はリンクや別紙で補います。書きすぎると、かえって読み返されにくくなります。
会議の録音をAIで要約する機能は、議事録に使えますか?
下書きづくりの時短には使えます。録音の自動要約は、たたき台を素早く用意するのに役立つためです。ただしAIの要約は、決定事項とToDoの「誰が・いつまでに」を取り違えることがあります。生成された文章はそのまま使わず、決定事項とToDoだけは人の目で確認してください。自社の会議に合う運用は無料相談でもご案内できます。精度の出方は会議の内容により異なり、同じ結果を保証するものではありません。
議事録とアジェンダは、何が違いますか?
アジェンダは会議前に配る「議題と進行の予定表」、議事録は会議後に残す「決定と経緯の記録」です。使うタイミングと役割が、前後で異なります。アジェンダで論点を先に共有しておくと、議事録も要点を拾いやすくなります。2つは対で使うと効果的でしょう。
前回の決定事項がない初回会議では、何を先頭に書けばよいですか?
初回会議では、前回の決定事項の代わりに、この会議が属するプロジェクトの目的を先頭に置きます。目的を全員で共有しておくと、話がぶれにくくなるためです。関係者の認識をそろえる進め方は関係者の認識をそろえる考え方も参考になります。次回からは、前回の決定事項を先頭に足していきます。
議事録は、どう共有するのがよいですか?
共有は、記憶が新しい当日中を基本にします。時間が経つほど、認識のずれを直しにくくなるためです。共有相手には、決定事項とToDoが一目で分かる形で届けます。決めたToDoを実行と期限まで管理する進め方は対策を実行に移すToDoと期限の考え方も参考になります。
まとめ:議事録は「先頭配置」と「3要素」で参照できる資産になる
伝わる議事録には、2つの軸があります。目的と前回の決定事項を先頭に置くこと、そして決定事項とToDoを「誰が・いつまでに」で書き分けることです。この2つを押さえると、議事録は後から参照しやすい記録に近づきます。9項目のテンプレートを用意し、準備から共有までの5ステップで運用する。こうして続けるほど、議事録は「書いて終わり」から都度使える記録へと近づいていきます。
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執筆:伴走支援パートナーズ株式会社(経営コンサルティング)
公開日:2026年7月13日/最終更新日:2026年7月13日
本記事の内容は一般的な情報であり、成果の出方は企業ごとの状況により異なります。同じ結果を保証するものではありません。