問題箇所の特定とは、問題が「どこで」起きているかを切り分けて絞る工程です。原因(なぜ)を掘る前にこの一手を挟むと、手を打つ範囲が狭まり、費用対効果が上がりやすくなります。私たちは、計画づくりだけでなく実行・定着まで一緒に手を動かす伴走型のコンサルティング会社です。日本と米国の双方で、規模も業種もさまざまな企業を支援してきました。この記事では、問題箇所を絞る4つの切り口と、売上減を切り分ける手順を、具体例とともに整理します。
問題箇所の特定とは?『どこで』を絞る問題解決の第2工程
問題箇所の特定とは、問題が起きている場所や対象を切り分けて絞ることです。問題解決の順番では、原因を考える前に置かれる2番目のステップにあたります。
問題解決は、①問題の明確化(WHAT)、②問題箇所の特定(WHERE)、③真因の追求(WHY)の順に進みます。②は、何が問題かを言葉で確定した後、なぜ起きるかを掘る前に挟む工程です。順番を飛ばすと、原因探しが的外れになりやすくなります。
たとえば「売上が減っている」という問題があるとします。多くの人は、すぐに「なぜ減ったのか」を考え始めます。ところが、その前に「どこで減っているのか」を絞るのが、この工程の役割です。第1ステップの進め方は、問題の明確化(WHAT)の考え方で解説しています。

『なぜ』の前に『どこで』を考える理由|費用対効果が上がりやすい
先に「どこで」を絞ると、手を打つ範囲が狭まり、費用対効果が上がりやすくなります。原因を全体に対して探すより、問題が集中する箇所に絞るほうが、速く安く進むためです。
費用対効果とは、かけた手間や費用に対して得られる成果の割合のことです。「どこで」を絞らずに全体へ手を打つと、問題のない部分にも労力を使います。結果として、費用対効果は下がりやすくなります。
絞るコツは、観察する角度を変えることにあります。売上・客数・地域・顧客層など、複数の見方で数字を並べます。問題のない部分を一つずつ外していくと、残った箇所が手を打つべき場所です。
たとえば、複数店舗を持つ小売業で全体の売上が落ちたとします。全店に一律で販促費を投じれば、費用はかさむ一方です。これに対し、店舗別に数字を並べ、落ち込んだ2店舗に絞って手を打つとどうでしょうか。費用を抑えつつ、効果も測りやすくなります。範囲を絞るほど、打ち手の当たり外れも早く見えてきます。
問題箇所を絞る4つの切り口|地域・顧客・商品・シーン
問題箇所を絞る切り口は、主に4つです。地域・店舗、顧客セグメント、商品・チャネル、利用シーン・時間の4つで分けます。
セグメントとは、顧客や市場を、年代・地域・業種など共通の特徴で分けた一区分のことです。「どこで」は地域や店舗だけを指すわけではありません。年代・性別・国籍といった顧客セグメント、商品カテゴリや販路、使われる場面まで含みます。
1つの切り口に決め打ちせず、いくつかで分けて差の大きい箇所を探すのが基本です。下の表は、代表的な4つの切り口と、それぞれが向いている問題を整理したものです。自社の数字を4つで一度ずつ分けてみると、偏りが見えてきます。

具体例を1つずつ挙げます。地域・店舗なら、特定エリアの店だけ客足が落ちるケースです。顧客セグメントなら、30代女性の客層だけ購入が減ることがあります。商品・チャネルなら、ある商品カテゴリやネット販路だけ伸び悩む場合もあるでしょう。利用シーンなら、平日ランチの時間帯だけ客数が落ちることもあります。同じ「売上減」でも、集中している箇所によって打ち手は変わります。
売上減少を切り分ける3手順|切り口を誤った例に学ぶ
売上減は、要素に分解して比較し、差が大きい箇所に絞ります。切り口を誤ると、問題のない部分に手を打つことになり、効果が薄くなりやすいものです。
切り分けは、次の3手順で進めます。
- 切り口を洗い出す:地域・顧客・商品・シーンなど、分け方の候補を挙げます。
- データで比較して差を見る:切り口ごとに数字を並べ、落ち込みが集中する箇所を探します。
- 問題が集中する箇所に絞る:差の大きい箇所だけに手を打ち、効果を測ります。
切り口を誤ると、どうなるのでしょうか。ここからは、切り口の違いを説明するための一般的な例です(実在の事例ではありません)。
ある化粧品会社で、売上が落ちたとします。実際には、海外のある顧客層で落ち込みが起きていました。ところが担当者は、年代(20〜30代)で切り分けて販促を強化します。落ち込みの中心を外しているため、手を打っても反応は鈍いままです。
顧客の属性を正しく切り分け、落ち込んだ層に絞って対処すれば、話は変わります。手応えを確かめながら、次の「なぜ」に進めます。正しく切り分けて初めて、真因の追求(WHY)の進め方へ移れるのです。

切り口が自社に合っているか迷う場合は、外部の視点が役立ちます。計画から実行・定着まで伴走する経営改善のコンサルティングサービスでは、問題の切り分けから一緒に手を動かします。
よくある質問
問題箇所の特定とは、結局どういう作業ですか?
問題が「どこで」起きているかを切り分けて絞る作業です。地域・顧客・商品・シーンなどの切り口で数字を分け、問題が集中する箇所を突き止めます。ねらいは、原因を掘る前に範囲を絞ること。こうすると、手を打つ場所がはっきりします。前段にあたる「何を問題とするか」は、問題の明確化(WHAT)の考え方で確認できます。
なぜ「なぜ(原因)」より先に「どこで」を考えるのですか?
先に範囲を絞ったほうが、原因探しの精度が上がるためです。問題の起きる箇所を特定しないまま原因を探すと、関係のない要因まで並びがちです。一方、「どこで」で絞ってから「なぜ」を掘ると、少ない労力で真因に近づけます。費用対効果を高めたい中小企業ほど、この順番が効きやすくなります。
切り口はどうやって選べばよいですか?
1つに決め打ちせず、複数で分けて差の大きい切り口を選びます。地域・顧客セグメント・商品やチャネル・利用シーンの4つを、まず一度ずつ試すのが基本です。数字の落ち込みが最も偏って出る切り口が、その問題に合った切り口といえます。切り口選びに迷う場合は、無料相談でも一緒に整理できます。
切り口を間違えると、具体的に何が起きますか?
問題のない部分に手を打ってしまい、効果が薄くなります。落ち込みの中心が海外の顧客層にあるのに年代で切ると、販促を強めても反応は鈍いままです。労力と費用をかけても手応えが出にくいため、切り口の検証は省けません。分け直して差が大きい箇所を探すことが、遠回りに見えて近道です。
データが少なくても切り分けはできますか?
できます。売上票・顧客名簿・日報など、手元にある記録から始められます。完璧なデータは必要ありません。地域や客層で数字を並べるだけでも、偏りは見えてくるものです。足りない切り口は、現場の観察や聞き取りで補いましょう。まずは今ある数字で、粗くても分けてみてください。
問題箇所を絞った後は、何をすればよいですか?
絞った箇所について「なぜ起きているか」を掘る、真因の追求へ進みます。問題が集中する箇所が分かって初めて、原因を深掘りする対象が定まります。切り分けと真因追求は、つながった一連の工程です。続きは真因の追求(WHY)の進め方で解説しています。
問題の切り分けから、実行・定着まで一緒に進めませんか
「どこで起きているか」の切り分けを、自社の数字で一緒にやってみませんか。
伴走支援パートナーズ株式会社(新潟・柏崎)は、中小企業の問題解決を、計画づくりだけでなく実行・定着まで伴走します。「売上が落ちた原因が分からない」という段階からのご相談も歓迎です。問題の切り分け、真因の追求、打ち手の設計まで、御社の状況に合わせて一緒に手を動かします。問題整理の最初の一歩を無料相談で相談するところから、お気軽にご連絡ください。
執筆: 伴走支援パートナーズ株式会社(経営コンサルティング)
公開日:2026年7月13日/最終更新日:2026年7月13日
本記事の内容は一般的な整理であり、成果の出方は企業ごとの状況により異なります。同じ結果を保証するものではありません。