問題解決は、正しい順番で進めると遠回りを防げます。順番はWHAT(問題の明確化)→WHERE(問題箇所の特定)→WHY(真因の追求)→HOW(対策の立案・実行)の4ステップです。多くの人は、いきなりWHY(なぜ)から考え、原因の海に迷い込みます。私たち伴走支援パートナーズは、計画づくりだけでなく実行・定着まで一緒に進めるコンサルティング会社です。日本と米国の双方で、規模も業種もさまざまな企業に伴走してきました。この記事では、4ステップの全体像と各ステップの問い、そしてなぜ順番が大切かを整理します。
問題解決の4ステップ|正しい順番はWHAT→WHERE→WHY→HOW
問題解決の正しい順番は、WHAT(何が問題か)→WHERE(どこで起きるか)→WHY(なぜ起きたか)→HOW(どう解決するか)の4ステップです。最初に着手すべきはWHATで、問題そのものを言葉にする作業から始めます。順番を守ると、限られた時間と人手でも的を絞って前に進めます。
WHAT(問題の明確化)とは、現状と理想の差を言語化し「解くべき問題か」を見極める作業です。ここを飛ばすと、そもそも解く価値のない問題に労力を注いでしまいます。まず問題を定義する具体的な手順は、問題の明確化(WHAT)の進め方で詳しく解説しています。
WHERE(問題箇所の特定)とは、事実にもとづき問題が起きている箇所を絞り込む工程です。原因を探す前に「どこで」を狭めるほど、後の分析が空回りしにくくなります。箇所を絞る観点は、問題箇所の特定(WHERE)の進め方で整理しています。
WHY(真因の追求)とは、絞り込んだ箇所に対して「なぜ」を掘り下げ、真因を突き止める分析です。箇所が定まってから掘ると、原因が発散せずに深く追えます。「なぜ」を掘り下げるコツは、真因の追求(WHY)の掘り下げ方にまとめました。
HOW(対策の立案・実行)とは、打ち手を洗い出して選び、実行と定着まで進める段階です。良い対策も、実行されなければ成果につながりません。選択肢の広げ方と絞り方は、対策の立案(HOW)の選び方で解説しています。
たとえば「問い合わせ対応が遅い」という悩みなら、まずWHATで「何分以内が理想か」を決めます。次にWHEREで遅れる工程を絞り、WHYで原因を掘り、HOWで手順を直す並びにすると、直すべき箇所が具体的に見えてきます。

なぜ順番が重要か|WHY(なぜ)から始める2つの危険
順番が重要なのは、WHATとWHEREを飛ばしてWHY(なぜ)から始めると、原因が無数に噴き出して分析が発散するからです。いきなり原因を追う進め方には、大きく2つの危険があります。順番を守ることで、この2つは避けやすくなります。
1つ目の危険は、そもそも解く価値のない問題に労力を注いでしまうことです。WHATで問題を定義しないまま原因を探すと、枝葉の現象を追いかけがちになります。結果として、本当に取り組むべき問題が後回しになります。
2つ目の危険は、問題箇所が曖昧なまま原因を並べ、対策が的外れになることです。WHEREで「どこ」を絞らないと、原因の候補が際限なく増えます。犬の道とは、箇所を絞らず勘で真因を探し回る遠回りな進め方を指す言い方です。この状態に入ると、時間だけが消えていきます。
たとえば「売上が下がった」という問題を考えてみます。いきなり「営業力が足りないからだ」と原因を決めると、対策が精神論に流れがちです。先にWHEREで「どの商品・どの顧客・どの月に落ちたか」を事実で絞ると、掘るべき原因が具体的になります。同じ「なぜ」でも、箇所を絞ってからのほうが打ち手に届きます。

4ステップの実務での回し方|各ステップの問いと成果物
4ステップは、各ステップの「中心の問い」と「アウトプット(成果物)」を先に決めて回すと、実務で扱いやすくなります。問いが決まると、どこまで進めば次へ移ってよいかが明確になります。下の早見表で、各ステップの問い・成果物・よくある失敗を確認してください。

WHATの中心の問いは「何が問題か、解く価値はあるか」です。アウトプットは、現状と理想の差を書いた問題の定義文になります。現象をそのまま問題と混同しないことが、最初の分かれ道です。
WHEREの中心の問いは「どこで起きているか」です。アウトプットは、事実で絞り込んだ発生箇所になります。全体を一度に見ようとすると発散するため、範囲を狭めてから次へ進みます。
たとえば「在庫数が合わない」という問題なら、WHATで「理想はズレ0件」と定義します。次にWHEREで「月末・特定の倉庫」と箇所を絞ると、成果物が「月末・その倉庫の差異リスト」へ具体化し、続くWHYが掘りやすくなります。
WHYとHOWでは、真因の仮説と、実行計画つきの打ち手をアウトプットにします。ここで大切なのは、立案で止めず実行・定着まで設計に含めることです。中小企業では、この「実行まで」を最初から見込んでおくと、計画倒れを防ぎやすくなります。具体的な進め方に迷う場合は、計画から実行・定着まで伴走するコンサルティングサービスでも一緒に整理できます。
中小企業が問題解決でつまずく点|3つの注意
中小企業では、少人数や兼任ゆえに、問題解決が「実行されないまま止まる」つまずきが起きやすいといえます。とくに注意したい点は、次の3つです。順番の乱れが、これらのつまずきを招きます。
- 問題の定義を飛ばす:目の前の現象を問題と思い込み、WHATを固めないまま動き出します。まず「解くべき問題か」を一文で書き出すと、空回りを防げます。
- WHYから始めて発散する:箇所を絞らずに原因を並べ、対策が総花的になります。WHEREで「どこ」を先に絞ると、原因の数が現実的になります。
- 立案で止まり実行しない:計画は作るものの、定着まで至らずに元へ戻ります。担当と期限を決め、実行の振り返りを回す仕組みが要ります。
たとえば、営業と製造を一人が兼ねる会社では、対策づくりまで進んでも実行の時間が取れず、計画が棚上げになりがちです。週に15分でも振り返りの時間を固定すると、実行が止まりにくくなります。
私たちは、規模も業種もさまざまな企業を、日本と米国の双方で支援してきました。その経験から感じるのは、問題解決は「計画づくり」より「実行と定着」でつまずきやすいということです。だからこそ、机上の助言で終わらせず、現場で回るところまで一緒に手を動かす形をおすすめしています。
よくある質問(FAQ)
Q. 問題解決は何から始めるべきですか。
WHAT(問題の明確化)から始めるのが正しい順番です。現状と理想の差を言葉にし、「そもそも解く価値のある問題か」を先に見極めます。ここを飛ばすと、価値の低い問題に労力を注ぐ遠回りになりがちです。最初の一歩の具体的な手順は、問題の明確化(WHAT)の進め方で確認できます。
Q. なぜWHY(原因)から考えると遠回りになるのですか。
箇所を絞る前に原因を探すと、候補が無数に噴き出して分析が発散するためです。WHATとWHEREで「何を・どこで」を固めてから掘ると、原因が具体的に絞れます。掘り下げの手順は、真因の追求(WHY)の掘り下げ方で解説しています。
Q. WHERE(箇所)とWHY(原因)は何が違うのですか。
WHEREは「どこで起きているか」を事実で絞る工程、WHYは絞った箇所で「なぜ起きたか」を掘る分析です。順番はWHEREが先で、WHYが後になります。箇所を絞る観点は、問題箇所の特定(WHERE)の進め方にまとめています。
Q. 順番を飛ばすと、具体的に何が困りますか。
対策が的外れになりやすく、労力が成果に結びつきにくくなります。定義や箇所を飛ばした対策は、後戻りややり直しを生みがちです。急がば回れで、WHAT→WHEREを先に固めるほうが結局は早く進みます。飛ばさずに対策まで運ぶ考え方は、対策の立案(HOW)の選び方でも整理しています。ただし進み方や成果は、状況により異なります。
Q. 少人数の会社でも、この4ステップは回せますか。
回せます。人手が少ないほど、価値の低い問題に時間を割く余裕はないため、順番で的を絞る意義はむしろ大きいといえます。まず1つの問題に絞り、WHATから短く回すのが現実的です。自社に合わせた回し方は、実行・定着まで伴走するサービスでも一緒に設計できます。
Q. ロジックツリーなどのツールは必須ですか。
必須ではありません。4ステップの順番を守ることが土台で、ツールはWHEREやWHYを整理する補助にすぎません。箇所を絞る観点は、問題箇所の特定(WHERE)の進め方も参考になります。まずは紙に問いを書き出す程度から始め、必要に応じて図式化する進め方で十分です。
問題解決の順番でお困りなら
自社の問題を、正しい順番で整理し直してみませんか。伴走支援パートナーズは、計画づくりだけでなく実行・定着まで一緒に進めるコンサルティング会社です。「どこから手を付けるか」の段階から、一緒に問題を整理します。問題の明確化・箇所の特定・真因の追求・対策の実行まで、御社の状況に合わせて設計します。進め方や成果は企業ごとに異なりますが、最初の一歩から一緒に整理していきましょう。無料相談で今の問題の順番を整理するところから、お気軽にご連絡ください。
執筆:伴走支援パートナーズ株式会社(経営・業務コンサルティング)