インサイドセールスとは、訪問せずに電話・メール・Web会議で見込み客を育て、商談につなげる営業手法です。訪問営業(フィールドセールス)と役割を分ければ、少人数でも商談づくりを進めやすくなります。私たちは、計画づくりだけでなく実行・定着まで一緒に手を動かすコンサルティング会社です。日本と米国の双方、大小さまざまな業種の営業現場で伴走してきました。この記事では、訪問営業との違い、担う役割、少人数の会社での始め方5ステップ、必要なツールとKPIまでを整理します。

なお、営業の型づくりから現場での実行まで、まとめて進めたい会社もあるはずです。その場合は、課題整理から定着まで伴走する支援サービスもご用意しています。まずは全体像から押さえましょう。

インサイドセールスとは?訪問営業との3つの違い

インサイドセールスと訪問営業の違いは、活動範囲・コスト効率・追う指標の3つに整理できます。両者は競合ではなく、役割を分け合う分業の関係です。フィールドセールスとは、訪問して対面で商談し、契約まで担う営業を指します。

訪問営業とインサイドセールスの役割とコスト効率の違いを左右で対比した図。左のフィールドセールスは移動を伴う対面商談で商談から契約まで一貫、右のインサイドセールスは非対面で発掘・育成・選別に特化し接触件数を増やしやすい。
両者は競合でなく分業。中小企業は自社の営業プロセスに合わせて配置を決めます。

1つ目の違いは活動範囲です。フィールドセールスは商談から契約まで一貫して担います。一方インサイドセールスは、見込み客の発掘・育成・選別に特化し、確度の高まった相手をフィールドへ引き継ぎます。2つ目はコスト効率です。移動の時間と費用がかからないため、1日あたりの接触件数を増やしやすいとされます。3つ目は追う指標の違いです。フィールドが受注や契約を中心に見るのに対し、インサイドは架電数・接続率・商談化率などの中間指標を追います。

たとえば、営業担当が2〜3名という会社を考えてみましょう。全員が訪問に出ると、1日に会える相手は限られます。そこで午前は電話とメールで見込み客を育て、確度が高まった相手だけ訪問に回す。時間で役割を分ければ、移動を減らした分、より多くの相手に接触しやすくなります。

インサイドセールスの主な役割3つ(発掘・育成・選別)

インサイドセールスの主な役割は、見込み客の発掘・育成・選別の3つです。マーケティングが集めたリードを商談化できる状態まで引き上げ、フィールドセールスへ引き継ぐのが基本の流れです。リードとは、問い合わせや資料請求などで得た見込み客の情報を指します。

発掘は、リードにヒアリングし、Web商談や訪問のアポイントを設定する役割です。育成はリードナーチャリングとも呼び、すぐに商談化しない見込み客へ定期的に情報を届け、購買意欲を高めていきます。ナーチャリングとは、見込み客を時間をかけて育てる活動のことです。選別はリードクオリフィケーションとも呼び、見込み度を見極める作業を指します。判断にはBANT(予算・決裁権限・必要性・導入時期の4点を確認する枠組み)がよく使われます。

役割 主な業務 次の担当への渡し方
発掘 ヒアリングしてアポイントを設定する 商談としてフィールドへ渡す
育成 定期的に情報を届け、購買意欲を高める 確度が上がれば選別へ回す
選別 BANTで見込み度を判断する 高確度のみフィールドへ引き継ぐ

選別を経て引き継いだ商談は、フィールドセールスがクロージングまで担います。商談を成約に結びつける具体的な進め方は、営業クロージングの技術で整理しました。引き継ぎ後の動きとあわせてご覧ください。

たとえば、資料請求のあと返信が途絶えた見込み客を例にします。すぐに売り込まず、役立つ事例やチェックリストを定期的に届けます。価格ページの再訪や再問い合わせなど、検討が動き出した合図を捉えましょう。確度が高いと判断できた段階で商談を設定する、という流れです。

中小企業のインサイドセールス始め方5ステップ

中小企業がインサイドセールスを始めるなら、人を分けず「時間を分ける」5ステップが現実的です。プロセスの分解・対象の優先度づけ・スクリプト整備・KPI設定・小さく回して改善の順に進めます。専任者を置けなくても、時間配分と型づくりから着手できます。

インサイドセールスを少人数で立ち上げる5ステップの縦フロー図。プロセス分解、対象リストと優先度、トークスクリプト整備、KPI設定、小さく回して改善の順。4番目の後に判断期間への注意ラインを挟む。
最初から専任者を置けなくても、時間配分と型づくりから着手できます。

5つのステップの中身は、次のとおりです。

  1. 営業プロセスを分解する:発掘から受注までを書き出し、どこを非対面に置き換えられるか棚卸しします。
  2. 対象リストと優先度を決める:アプローチ先を絞り込み、確度の仮説を置きます。
  3. トークスクリプトを整える:ヒアリング項目(BANTなど)を型にして、誰が話しても品質を保てるようにします。
  4. KPIを設定する:架電数・接続率・商談化率など、追う数字を決めます。
  5. 小さく回して改善する:週次で数字を見て、スクリプトと時間配分を調整します。

たとえば、専任者を置けない会社を考えてみましょう。まず既存の営業を「発掘・育成・商談・受注」に分け、電話とメールへ置き換えられる工程を探します。次に、午前の2時間を非対面の時間と決め、週末に数字を振り返る場をつくりましょう。専任者がいなくても、時間の使い方を変えるところから始められます。型づくりや数字の設計を一緒に進めたい場合は、実行・定着まで伴走する支援サービスでもご案内しています。

インサイドセールスに必要な4つのツールとKPIの決め方

インサイドセールスに必要なツールは、CRM/SFA・Web会議・CTI・MAの4つが基本です。すべて同時にそろえず、記録の土台となるCRM/SFAから段階的に導入します。CRM/SFAとは、顧客と商談の情報を記録し、社内で共有する仕組みのことです。

インサイドセールスの主要ツールと導入優先度、初期に見るKPIを整理した比較表。CRM/SFAとWeb会議は優先度が高く、CTIは中、MAは中〜低で段階導入する。
最初から全部そろえる必要はありません。記録の土台(CRM/SFA)から始めます。

Web会議は非対面の商談やヒアリングに使い、既存のツールでも始められます。CTI(電話とシステムを連携し、通話履歴を自動で残す仕組み)は、件数が増えてから検討すれば十分です。MA(見込み客の行動を可視化し、育成を助ける仕組み)は、リード数が多くなってからでも遅くありません。KPIは、最終指標の商談化率から逆算し、接続率、架電数へと分解して設計するのが基本とされます。たとえば必要な商談数を先に置き、そこから逆算して1日の架電目標に落とし込む、という考え方です。数値の目安は各社の状況で変わるため、自社の現状に合わせて置き換えましょう。

MAで扱う見込み客は、多くがマーケティング施策から生まれます。集客から商談までの全体像は、中小企業のマーケティング戦略の立て方とあわせて考えると整理しやすくなります。

たとえば、まだ表計算ソフトで顧客を管理している会社を例にします。最初にCRM/SFAへ記録を移し、「誰に・いつ・何を話したか」を全員が見られる状態にします。件数が増えたらCTIで履歴を自動化し、リードが増えたらMAを検討する、という順番が現実的です。

よくある質問

少人数でもインサイドセールスは始められますか?

始められます。インサイドセールスは、専任チームを組むことより「時間の使い方を変える」ことから着手できるからです。1〜2名でも、午前は非対面で見込み客を育て、午後は確度の高い相手に集中する、と役割を時間で分ける進め方があります。まずは自社の営業プロセスを分解するところから始めましょう。進め方に迷う場合は、無料相談で自社の状況に合わせて整理できます。

成果が出るまでどのくらいかかりますか?

取り組む業務の範囲や体制によって異なります。受注やROIの判断には一定の期間が必要とされ、初月からはアポイント数などの先行指標で見るのが現実的だからです。まずは小さく回し、数字を見ながら調整していく進め方をおすすめします。成果が出るまでの期間には個人差があり、同じ結果を保証するものではありません。自社の場合の進め方は無料相談でご案内します。

SDRとBDRは何が違いますか?

対応する相手が違います。SDR(反響したリードに対応する担当)は、問い合わせや資料請求など、すでに関心を示した相手を追います。一方BDR(新規開拓を担う担当)は、こちらからアプローチして接点をつくる役割です。少人数の会社では両方を1人が兼ねることも多く、まずは反響対応から整えるのが現実的でしょう。

ツールは全部そろえないと始められませんか?

全部そろえる必要はありません。インサイドセールスの土台は、顧客と商談の情報を記録するCRM/SFAだからです。Web会議は既存のツールで代用でき、CTIやMAは件数やリードが増えてから検討すれば十分です。まずは記録の仕組みから整え、必要に応じて段階的に足していきましょう。

外注と内製、どちらがよいですか?

立ち上げの設計は社内で持ち、実務の一部で外部を使う組み合わせが現実的です。誰に何をどう伝えるかという方針は、自社の当事者にしか決められないからです。一方で、架電やリスト整備などは外部の力も借りやすい領域だといえます。私たちは、机上の助言だけでなく、型づくりから現場で回るところまで一緒に手を動かします。具体的な進め方は実行・定着まで伴走する支援サービスでご紹介しています。

訪問営業はやめるべきですか?

やめる必要はありません。インサイドセールスと訪問営業は競合ではなく、役割を分け合う関係だからです。非対面で見込み客を育て、確度が高まった商談だけを訪問に回せば、訪問一件あたりの質を高めやすくなります。自社の営業プロセスに合わせて、両者の配分を決めるのが基本です。


自社に合うインサイドセールスの形を、一緒に考えてみませんか。計画づくりだけでなく実行・定着まで支える伴走支援パートナーズが、営業体制づくりの最初の一歩を無料でご相談に乗ります。どこから非対面に置き換えるか、どのツールから入れるか、KPIをどう設計するかまで、自社の状況に合わせて一緒に整理しましょう。(成果や進め方は企業ごとの状況により異なります。)

インサイドセールスの始め方を無料で相談する

執筆:伴走支援パートナーズ株式会社

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